ロードバイクが趣味な俺は少し遠出をした。公衆トイレに立ち寄った時に、妙な女が俺の自転車をジッと見て…




独身♂の話なのですが、流れを豚切り投下します。

1年ほど前の修羅場。
長文になります。

登場人物
・俺♂(当時25歳)
・キチ♀(40超えてると思ったら30代だった)

当時の俺は、仕事の関係で地方都市に住んでた。

俺は趣味でロードバイクに乗っていて、
休みの日にはポタリングに出かけたりしていた。

ある日、少し遠出をした俺は、尿意を催し、公衆トイレに立ち寄った。
カギは持ってきていなかった為、
トイレの中から見えるところにロードを置き、用を足しているとき、
外に置いてあるロードのそばに、怪しい人影が近づくのが見えた。

よく見ると、妙な女が俺のロードをジッと見ている。
「倒れたりするとシャレにならんから、手を触れてくれるなよ…」
との願いも届かず、
俺のロードを手にかけたと思いきや、手で押しながら、ロードと共にその場を去り始めた。

思わず、口から「フヒッ」と変な笑い声を発し、
「触るどころか、持っていくんか!?」と、焦った俺は、
膀胱内に残った水分を思いっきりジェット噴射し、すぐにその女(以下キチ)を追った。

俺「おいあんた!」
キチ「なに?」
俺「その自転車、あんたの?」
キチ「そうよ?」
俺「いやいや、その自転車俺のなんだけど」
キチ「何言ってんの?証拠でもあんの?」

心の中で、「持ち主を前にして、こいつすげぇな…」と思ったが、
同時に、まるで他人事のように「これがキチか」とか考えていた。

とりあえず警察呼びますね、と、シートポストを掴みながら110番。
キチが叫んでいたが、盗難の現行犯で逃走の危険性があるから、早く来てくれ、と言ったら、
近くに交番があったらしく、3分ほどで到着した。

キチは何故か逃げずにムスッとして仁王立ちしていた。
もちろん、ロードを手放して逃げたとしても、絶対に逃がさない自信はあったが。

警察A「通報したのはどなたですか?」
俺「俺です。公衆トイレで用を足している間に、この女が俺の自転車を盗もうとしたんです」
警察A「この自転車は、本当にあなた(俺)のものですか?」
キチ「違うわよ!こいつがいきなり、私の自転車掴んでわけのわからないことを言いながら警察に電話したの!頭がおかしい!慰謝料!」
俺「いや、この女の言う事は間違っています。俺は○○に住んでいて、この自転車でやってきたんです。(現実で慰藉料とか言うやつ、いたのか…)」
警察B「お互いの主張が食い違っているようなので、それぞれお話を伺ってもいいですか?」

ここで、お互いが離れ離れになったんだが、
俺が「この自転車、倒れでもしたら廃車なんです!そこの壁でいいんで立て掛けさせてください」
と強くお願いして、とりあえずはキチの手元から離れさせた。

そんなことをしていると、このキチをどうやって追い詰めようかと考える余裕も出ており、
俺のポタを台無しにした罰に、少しずつ追い詰めてやろうと考えた。

警察B「自転車、防犯登録されてないみたいですが、自転車があなた(俺)のものである証拠はありますか?」

俺「この自転車は、俺がバラバラの状態で、1から組み上げたんです。
フレームは海外から取り寄せた為、国内での防犯登録は行っていません。
というか、登録しようと自転車屋に持ちこんでも、断られたりするんで。
証拠としては、ここに立ち寄る前に撮った写真、それより以前の写真、私がこの自転車に乗って写っているイベントの写真など」

警察B「う~ん…同じような自転車の可能性もあるからねぇ…」

俺「あ、自転車のフレームのこの部分、このペイントは自分で追加したんです。
市販の状態と比べてみてください。(ネットで画像を見せる)」

警察B「なるほど…あっちにも話を聞いてみようか」

キチの方は身分証も持ち合わせておらず、叫んでばかりで、あまり進んでいないようだった。
俺は、警察に提示した証拠の中に、最大の証拠となるものを、敢えて提示していなかった。
もはやゲーム感覚である。

警察A「ちょっと、落ちついてください」
キチ「私は今から家に帰るところなのに!なんなのよ!全部こいつのせい!絶対に訴えてやる!」

俺「まあ落ちつけよ。この自転車はどうやって手に入れた?」
キチ「あんたに教える必要はないわよ!あんたのせいで!謝罪しろ!」

警察B「では、私に教えてください」
キチ「!…知人に貰ったのよ!」
警察B「では、その方のお名前とご連絡先を教えてください」
キチ「名前は○○!連絡先はわからない!」
警察B「その方のご住所もご存じない?」
キチ「たまに会うくらいの人だから、住所や電話番号は知らないわよ(フフン)」

警察B「では、この自転車があなた(キチ)のものであるという証拠はありますか?」
キチ「証拠なんてないけど、これは私のなのよ!」

警察を前にして、この自信はどこからやってくるのか、と半ば感動すら覚えつつ、
俺は警察Bに、公園に立ち寄る前に撮影した画像を見せた。

警察B「写真に写っている風景、この公園からだいぶ離れたところのようですが、
なぜ俺さんが、この写真を持っていらっしゃるのでしょう?」
キチ「…ここに来る前、私が立ち寄ったのよ!こいつは私を陥れる為に、ずっと後をつけて来たんだわ!
ストーカー!気持ち悪い!逮捕しろ!」

警察B「では、公園まで、この自転車をお乗りになられたと?」
キチ「そうよ!(フフン)」
警察B「と、仰っていますが?」

俺「ふーん。あんたこの自転車乗れるんだ?乗ってごらんよ、倒したら弁償な。自分の自転車だから簡単に乗れるだろ?」

キチの顔が曇る。

俺「乗れないの?なら代わりに俺が乗ってやろうか?俺の体系に合わせたポジションだから何の違和感もなく乗れるよ」
キチ「ふざけるな!私の自転車に触れるな!謝れ!慰謝料よこせ!」

俺「あっ、そう。じゃあ乗らないであげる。ところでこの写真、2年前のイベントに、俺が出場した時の写真だけど、これはどう説明するの?」
と、インターネットで配信されている、俺が写った写真を見せると、キチが盛大にわめくわめく。

そろそろとどめを刺してやろう、と、俺は警察の許可を取り、最大の切り札である、自転車のある部分を見せる。

俺「このロードバイク、実は1台ごとにシリアルナンバーが振られているんです。もちろん、このロードバイクにも。
俺の名前で登録してあります。インターネットで見られますので、警察Bさん確認お願いします」

決まった…と確信し、心の中でドヤ顔を決めていると、キチが性懲りもなく足掻いた。

キチ「なによ!こんな高い自転車見せびらかして!自慢!?せっかく売りさばこうと思ったのに!!
この自転車、あんたがくれたじゃないのよ!」
警察B「ちょっとあなた、さっき知人から貰ったって言いましたよね」
キチ「そうよ!こいつがその知人!こいつを逮捕しろ!」

警察B「俺さんは、その知人の方と名前が違うようですが」
キチ「勘違いしてたの!この自転車はこいつがくれた!それなのに警察を呼んだ!頭がおかしいの!」

斜め上の証言に、俺の思考回路が追い付けなくなり、つい
「頭逝ってんな~」
と声に出してしまった。
キチは更にヒートアップ。

俺「あんた、俺のこと知人って言ってたよな?俺の名前は?」
キチ「何よ!あんたの事なんて頭から消えちゃったわよ!!」
俺「ふざけてないで質問に答えようか。まさか名前も知らない人から自転車貰ったって言うのか?」

キチ「…小林!!」
俺「小林?」
キチ「………本田!」
俺「本田?」
キチ「…忘れたわよ」

俺「あのなあ、自分で組み上げて、何年も一緒に走ってきた相棒を、俺の名前も知らないヤツにあげるわけないだろ」

その後、わめくキチは、窃盗の現行犯という事で警察に連行された。
取り調べの中で、最初に警察に名乗っていた名前は偽名であることが判明した。
執行猶予付きだったようで、そのまま塀の中へ。
俺は、転勤で、今は別の土地にいる。

キチと関わったのは、今のところこの1件だけだったが、精神的に疲れた。

それにしても、目の前で堂々と自転車盗られると、一瞬笑ってしまうよ、マジで。






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