なんでも、
同じ関東組の奴から告白されたんだと。
ちなみに、
付き合っていることは周りに伏せていた。
チビ助が俺を捨てる訳はないだろうとタカをくくり、
チビ助の人生なんだから自分で考えて決めなさい、
なんてことを言ってしまった。
数日後、チビ助から電話がくる。
嫌な予感というか、
半ばある種の確信めいたものを抱き、電話に出る。
チビ助の声色はいつになく硬かった。
俺は悟った。
案の定、チビ助は
その男からの告白を受けるそうだった。
受けるかどうかは自分で決めろ、
俺はそれに従う、
なんてかっこいいことを言っていたのに、
醜く食い下がる俺。
そしたらチビ助は耐えきれなくなったのか、
重い口を上げた。
曰く、正直ヤンデレに耐えられなくなった、
俺の愛は重すぎる、
関東組の奴に告白されようがされまいが、
どのみち俺とは別れるつもりだったと。
そんなことをつらつらと語られた。
もう完全にダメだと悟ったとき、
俺も首を縦に振った。
好きな人をふらっと来たうまい面子に
かっさらわれるということを
2連続で体験した俺は、
それこそ屍のような状態だった。
全てを怨んだ。