将棋界の焦りがあったのでは?
今回の電王戦は、第1局、第2局とも佐藤名人の完敗としか言いようがない内容の将棋だった。そもそもプロ棋士レベルの将棋は、『良い手を指したほうが勝つ』よりも、『悪い手を指したほうが負ける』という勝負になるもの。しかし、今回のPONANZAとの対局で、佐藤名人はこれといった悪手を指したわけではありません。ということは、両者の力にかなりの差があったということになる。
名人という“ラスボス”が出動し、わざわざ引導を渡されに行った形の将棋界。
その背景には、将棋人口は激減しており、昨年には将棋界唯一の新聞だった『週刊将棋』(マイナビ出版)も休刊になるといった背景が。ソフトとの対局となれば、マスコミも大きく報じ、将棋ファンでない層も興味を持ってくれるとの考えがあったのでしょう。
“スーパー中学生”の藤井聡太四段が登場
名を捨てて実を取ったというのは酷ですが、ソフトに敗れるのと引き換えに新たなファンを獲得できたのですから、悪くない試みだったのではないでしょうか。また、それと前後して“スーパー中学生”の藤井聡太四段が登場。
注目度が高まるタイミングでのニューヒーローの誕生は将棋界に福音をもたらすかもしれませんね。