他の事務所を選んでいたら・・
サンミュージックに所属したことに対し
「あれはホントに人生最大のミスといっても過言ではないです」
と笑いながら話した彼だが
「でも、サンミュージックを選んだからこそ、今の僕がある気がして。
もし、他のお笑い事務所を選んでいたら、僕、絶対に芸人は続けられず、途中で辞めていたと思います。
だって他のところの芸人さんって、みんな鬼のように面白いし、鬼のように努力してるじゃないですか。
そんなの疲れちゃいますもん（笑）。毎秒面白くなくてもよくないか？って、僕はどこかで思っているので」
と、他の事務所に所属していたら今の自分はなかったことを吐露していました。
彼が芸人を志した理由も
「昔から面白い人が好きで、気づいたら芸人になっていた」
と、“なりゆき”な答えでした。
「アルバイトもほとんどしたことがないですし、家では甘やかされていました。
売れてないときも、先輩におごってもらったり、収入がなくても芸人である限りなんとかなるものなんですよ」
と。彼の野心や執着心のなさはこの“なんとかなってきた”これまでの半生が一因となっているのではないでしょうか。
彼に今後の野望を聞くと
「自分1人だと、たぶん何もできない。だから仕事のときは僕以外に面白い人が絶対に必要なんです。
もし自分が面白い人だったら、面白くない人と番組をやらなきゃいけないじゃないですか。
僕はあくまで、ひとつのパーツでいたいくて。だから今の状態は僕にとって、やり過ぎのような気がします」
と返答。常にフラットな彼は自分の立ち位置も冷静に判断していました。
「才能があったら芸人になっていませんよ（笑）」
カズレーザーさんは自分がバイセクシャルだと公言していることでも有名ですね。
そんな彼は現在芸人仲間と同居中。その同居人との関係について聞かれると
「恋人ではないっすよ。そいつ、すげーブスなんで（笑）。基本、他人にはそれほど興味がないんです。
恋愛も自分の中では重要ではない」
と話したが、
「1人では暮らせません。だって家に帰って、しゃべる相手がいないとしんどくて。
1人だとボケても誰もつっこんでくれませんからね。それって最悪じゃないですか（笑）」
と〝芸人らしい”一面も見せました。『カズレーザークリニック』（テレビ朝日『お願い！ランキング』内コーナー）で恋愛相談を受けることも多い彼。
「人を好きになる気持ちはわかるけど、悩む気持ちがわからない。なんで悩んでいるかはわかりますけど
理由がわかるってことは、もう答えが出ているってこと。答えが出ていることに悩む必要はありませんからね。
逆に答えが出ないことだったら、悩んでも仕方ないですし」
ときっぱり。そんな人の真理を突くような彼の言葉に多くの視聴者が目を覚ましました。最近、プライベートでは美術館めぐりや画集鑑賞に浸っているようで、「今、好きな画家はウジェーヌ・ドラクロワ」と答える彼。
同志社大学卒のインテリ芸人でもありますが、単に〝知的な趣味”というわけではなく、彼なりの視点があるようです。
「遠くから見たらすげーカッコイイんですけど、近くで見たら下手くそで（笑）。
それでも、めちゃくちゃ生き生きしている絵が不思議だなって思います」
『絶対！カズレーザー』の初回と第2回放送では街の奇人を訪ねるという企画で、その独特な視点で冷静なツッコミをいれていました。
収録後、「手応えは全然ない」「奇人が出てくるけど、僕は凡人」とやはりカズレーザーさんらしいコメント。
「体を張ったことはやってみたいですね。僕、体力なくてすぐ風邪引いちゃうんですけど」
という抱負も。はたして実現できるのでしょうか。ガツガツしてない芸人・カズレーザーさん、実験的な深夜番組のノリでは、新たな笑いを生んでくれそうです。
バラエティ番組で、前へ前へと出る若手芸人たち。しかしそんな中落ち着きを見せる彼の存在感は逆に目に留まりますね。
冷静な彼の発言は納得・共感するも、どこかハッとさせられる人も少なくないでしょう。
それは彼自身の独特な考え方と彼の持つ哲学があるからではないでしょうか。
「才能？ いや、ないっすね。才能があったら芸人になっていません。もっと違うことをやっています（笑）」
そう答えるカズレーザーさん。しかし、この〝執着心のなさ”こそ彼の才能であり、魅力でもあります。
今までにない新しいタイプの芸人として、これからも彼の活躍に期待できそうですね。
