闘犬の訓練
番組には土佐犬のリュウくんが飼い主の木村さんと登場しました。
このリュウくんは、出場した大会で東日本の超大型部門のチャンピオンに輝いた一流の闘犬です。
アップで写し出されたリュウくんの迫力は物凄く、本当に強そうです。こんな大きな犬にもし襲われたりしたらひとたまりもありません。
飼い主である木村さんは自慢げに「トレーニングの時は7kgほどの重りを首に捲いてベルトコンベアーで走らせています。」と語りました。
過激なトレーニングを強いられているのですね。
木村さんは闘犬を育てるのは本当に楽しいと続けました。
沈黙をやぶった山本KID
それまで沈黙を守っていた山本KIDさんが、とんでもないことを言い出しました。
「飼い主も会場でやればいいのにね。飼い主対飼い主。」
冗談かと思いきや、その表情は堅くなっています。実は山本KIDさんは大変な愛犬家で、自身もブリーダーをしているそうなのです。
心から犬を愛しているからこそ、犬を戦わせて喜んでいる闘犬愛好家を許せなかったのでしょう。
過熱する口論
「自分がヘタレだから犬に戦わせて満足しているんじゃないのか」とでもいうような発言に木村さんは頭にきたのかすかさず反論しはじめました。
「犬を戦わせるときは飼い主も土俵にあがって犬と一心同体で戦っているんです」
愛犬家にとっては言い訳にも聞こえるような反論に山本KIDさんも言い返し、それに木村さんも反論を続けます。
「あーじゃなくて、飼い主が殴り合えばいいんじゃないの?」
「それはKIDさんにやってもらって…」
「いや、僕は誰かに命令されてるわけじゃないから!」
だんだんと口論は激しくなる一方で、木村さんの口調も荒くなってきました。
「ルールがあってやってるから」
「いや、僕もルールの上で戦ってますよ」
「さっきの動画みてもらっても分かる通り、しっぽ振りながら戦ってるんですよ。喜んでる」
「尻尾振ってるからって喜んでるわけじゃないよ!本当に無知だな!」
とうとう山本KIDさんの怒りが爆発してしまいました。苛立ちがTVを通して伝わってきます。
山本KID、エピソードを語る
少し落ち着きを取り戻した山本KIDさんが、自身の体験を語り始めました。
「闘犬愛好家の人はどうしても戦わない犬はもういらないとばかりに殺して処分してしまうです。そうですよね?」
これには反論せず、木村さんはうなづきました。
「土佐犬のような犬でも育て方次第では他の犬とも仲良くできるほど、おとなしくなるんですよ!僕の友達は戦わない闘犬を引き取って育てて、はじめは喧嘩ばかりしていたけど今では山の中でのんびり他の犬と仲良くすごしてますよ」
闘犬だから戦うのが好きでたまらないわけではないというエピソードに「よくぞ言った!」「人間のエゴ」「無知じゃんと切り捨てるころがかっこいい」とネット上ではコメントが殺到しました。
日本にも動物愛護法がありますが、驚くことに闘犬だけは例外となっているそうです。諸外国と比べてみても時代遅れとしか言いようがありません。
犬に過酷なトレーニングをさせ、戦わせてなにが楽しいのでしょうか。しかし、昔から続いているのも確かです。
痛みを知れ
番組で批判された木村さんは、自分の犬は死ぬまで戦わせると声を荒らげました。
その言葉に山田KIDさんが間髪を容れずに反論します。
犬にやらせてないでお前もやって、痛みを分かった方がいい。分かれば優しくなれるんじゃないか。
この言葉に言い返すこともできなくなり、涙目になってしまった木村さん。
ネットの反応
ボクシングやプロレスは人間を殴り合わせて喜んでいるけど?との書込みに、「ボクサーもレスラーも戦いを強制されてもいないし、プロモーターに殺されることもない」とコメントがつきました。
なるほどと思える反応ですね。
他にもこんな反応がありました。
「動物を可愛がるのだって突き詰めれば自分の快さのためだから本質は変わらない。 批判するのも勝手だけど闘犬を楽しいとも思うのもまた勝手だ。」
「闘犬や闘鶏や闘牛や狩りの文化を否定する気持ちもわかるが、人間は強すぎる。 他の生き物を玩具にしすぎ。 」
「文化として定着しちゃってるから止めさせようって発想にならなかったけど良く考えれば残酷だもんな。」
闘犬なんて、今時、ヤーさんとチンピラみたいなのばかり、賭けの対象だという荒っぽい書込みもありました。
番組を見ていた視聴者が冷静な目でコメントをしているのがわかります。
そして番組を見て考えさせられた人が多くいるのは確かなようです。
様々な意見が交わされることで、改めて、動物愛護とはなにかを考えるきっかけになるといいですね。